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マブラヴ オルタネイティヴ(age/2006-02-24) エロゲー感想者 est
パッケージ
エロゲー感想者の満足度  5点
夜のオカズ度  1点
エロゲーのジャンル あいとゆうきのおとぎばなし
メーカーHP http://www.age-soft.co.jp/
エロゲーの属性 その他
 CGのおおかな枚数 /500枚(差し分含まず)
エッチCGの割合 10% 音声の有無 あり
DVD 1枚 動画の有無 なし

 ▼中古ショップ参考

■■■簡単な紹介■■■

あいとゆうきのおとぎばなし。狂った世界に翻弄される運命。
そして、紡がれるもう一つの未来とは・・・。
原画/キャラクターデザインはBou、シナリオは鬼畜人タムー/反重力生命マー/
まふまふ仔犬ちゃんほかが担当。音声はフルボイスで収録。

■■■ぶっちゃけたエロゲー感想■■■

はじめまして。estといいます。
容量が容量で内容が内容な上、あまり文才がないので長文をご容赦願います。
早速ですがオルタの話を。

三年という月日を延期に延期を重ねようやく完成した本作品、マブラヴ ALTERNATIVE
マブラヴextra・unlimitedの空いた穴を埋めるピースとしては十分なものだったと思います。
しかしやはりと言うべきか、再三に渡る発売延期を耐え、発売を待ち焦がれたファンにとって待望の、
そして最高の作品となりえるか、というリアルタイムフリークの声も重要です。

果たして三年という年月は、作品の充足度をいかにしたのか…
三年を待ち焦がれた方に属しているので偏るかもしれませんが、
なるべく客観的に分析出来ればと思います。
では、一つ一つ見ていきたいと思います。


シナリオ

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まず最初に言っておくことは、話は一本道であること。
どの選択肢を選んでもエンディングは一つです。


前々から言われている事ではあるが、ガンパレード・マーチやサクラ大戦的な流れである。
ゲームに限らずこういった作品では、命の重さ、生の執着、現実と理想のズレ…等が要点となる。
そしてそれらに主人公が向き合い、戦い、仲間がそれを支えるという実にベタな展開である。

更に、最近のage作品で幻滅されている事だが、主人公が必ずヘタレだという事。
穿った見方かもしれないが、以下の流れを繰り返す。

辛い現実→へこたれる→逃げ出す→立ち直る→現実を直視→でも辛い現実…

という流れをシーンを変えて繰り返し、EDに「やっぱり現実を直視」というようなものである。
名作と呼ぶ人が多い一方、駄作と蔑む人も少なくない、「君が望む永遠」以降のシナリオの流れである。


そして少々辟易したのが「日本人」という言葉が中盤に集中すること。
御幣がありますが、昨今話題に上った「愛国心」的な話が集中してると思っていいでしょう。
といっても安っぽいものではなく、
区別されたnationalismとethnicityの基本的な論理構成が文脈に見られ、
最終的に、人類の敵への共通した意思を支える個々人の立脚点の一つでしかないとなります。

じっくりと読み、考察していると面白いテーマに触れているなぁ、とも思いましたが、
「日本人」ということの額面に捕らわれ過ぎると、話の着地点が見えづらくなってしまうかもしれません。
…実は国粋的なプロパガンダ・エロゲ作品なんじゃねーかと不安になりましたw


EDについてを少しばかり。
TureEndというニュアンスよりHappyEndという方がしっくりくるでしょう。
個人的には、これくらいでないと辛い事多すぎるかな、と温情的な思いで我慢しましたw
出来すぎじゃないのか? とも思いましたが、そうなるだけの理由は説明されたと思います。
香月夕呼の言葉の一つ一つに注意し、読み解く事で細かな理詰めができるでしょう。

ともかく、要点を簡潔に。
この作品での舞台は日本は日本でも、大日本帝国をベースにしている事。
現代と国民意識が違う事。主人公が少なからずそれに感化されていく事。
生へ執着の醜さ美しさ、背負うべき現実を受け入れ立ち向かう意志を支えるもの。

命を賭して何かを守り抜く事の美しさや素晴らしさが、シナリオを昇華させていますが、
そこで語られる思想に一線を引き、ユーザーまで感化される事がないように気をつけるべきです。
そして是か非かを皆さんの内で判断して下さい。


サウンド・グラフィック
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サウンドは主題歌「マブラヴ」の他、挿入歌2曲「翼」「未来への咆哮」が追加され、
更にBGMもオーケストラのようなもの等、既存のものをベースに大幅な追加がある。
場面に合わせて効果的な使い方をしている方だと思う。
グラフィックに合わせ、臨場感を高めたり惹きつけられる演出を醸している。

ただし、SEはそれほど種類がない上、各シーンでの使いまわしが多い。
もう少しバリエーションが欲しかったというのが正直なところである。


グラフィックに関しては前作マブラヴから立ち絵や一部背景・イベントシーンを流用しているが、
それが気にならない程の新規CGがある。
ただ、比較的グロテスクなCGが少なくないため、抵抗のある人は注意を。

エフェクト処理に関しては、控え目に言って幻滅w
戦闘シーンなど、直線・又は円弧のみの表現、逆にない方がいいのではないかと思えたりする。
シーンの一部にアニメーションがいくつか使われているが、
このアニメーションに違和感なく移行するため、逆にエフェクトの普通さが不満と感じた。
3年という期間を鑑みれば、もっと拘って欲しかった、というのが正直な感想である。


えっち
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ほぼないです。というかないです。ないと同義です。
コンシューマ作品だったかな? と思った程ですw
お話の味付け程度だと思うのが自然でしょう。


システム・その他
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まず画面、アスペクト比1:1.85のアメリカン・ビスタであり、映画のような感覚である。
セーブ・ロード、直前の選択肢、オート、スキップ、等基本的機能の他、
スペックに合わせて細かい設定が出来るようになっている。

そしてこのゲーム最大の留意点がある。
CGギャラリーなし。
シーン回想なし。
BGM鑑賞なし。

つまり、おまけでもエクストラでもオプションでも、呼称はなんでもいいが、
クリアしても、タイトル画面に変化なし。
今や常識、あって当たり前のおまけモードは、存在しません。

見たいシーンがある場合は直前にセーブすることをお奨めする。
もはやひたすら長い映画である。
オートモードでクリアを目指すなら、モニターをゆうに24時間以上は見つめる事になる。

じっくりとプレイする時間を確保しなければ、なかなか楽しめないかもしれません。
これからプレイする皆様は是非、無理をなさらぬようにw




■■■ま・と・め■■■

さて、総じてこの作品を見た場合の私個人の評価は「稀に見る凄まじい作品」です。
ただ、良い意味・悪い意味両方含めて、という事になってしまいますが。

ゲームとして、話の作り込みの綿密な事、極めて秀逸だと言わざるを得ません。
これは話の内容如何に関係なく純粋に作り手の努力を感じる事も含まれます。
しかし、三年間というスパンを見ればまだ改善の余地があったのではないか、
いう部分も少なからずあります。
特におまけモードがない事はある意味すごいです。
作り手側のマスターベイションを見せられている様な、
よくも悪くもエヴァ劇場版のような暴走と放置感があります。

人によって是非がきっかりと分かれるのではないでしょうか。
遺憾ですが本作品「マブラヴ ALTERNATIVE」を私は善し悪しの二元論で評価はできません。

この三年をかけた長い長いテキストを、ゲームととるか、小説ととるか、
ジャンルの通り「あいとゆうきのおとぎばなし」ととるか…
それだけでも評価に悩みます。

皆さんで判断して下さい、と投げ出したいところですがw
これだけは言えます。
プレイするだけの価値はあると。
駄作なら駄作で、名作なら名作で、そのどちらにしろ得るものがある作品です。
皆さんの目で耳で、是非一度体験してみてください。



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