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■■■簡単な紹介■■■ |
![]() 私立の学校「竜鳴館(りゅうめいかん)」に通う 主人公・対馬レオは2年生。 初夏のある日、家に幼い頃に姉代わりだった 従姉弟の鉄乙女(くろがね おとめ)が引っ越してくる。 乙女は、自分たちの長期出張にかこつけてなまけている息子の 性根を叩き直して欲しいとレオの両親に頼まれ、 家にやってきたのだった。 乙女と2人きりで暮らす生活にとまどう主人公。 さらに乙女は、生徒会の仕事を主人公に 手伝って欲しいともちかける(というか命令形)。 そこは主人公が想いを寄せる生徒会長・霧夜エリカが取り仕切る 女帝政治の場所であった。幼馴染の蟹沢きぬたちを巻き込み さらには1年生の間で不良と言われる椰子なごみが加わり、 執行部は美人揃いになったが、個性的な連中ばかり。 平凡だった日々が騒がしい毎日へと代わっていく…… きゃんでぃそふと サイト内より抜粋 |
■■■ぶっちゃけたエロゲー感想■■■ |
![]() どうも、毎度おなじみ突撃三士です。 物語に感情移入するときってどんなものがあります? 一例を挙げると、物語の舞台が思い出深い土地だったときがあると思います。 ………どうです、頷けるでしょ? と言うわけで、(どんな訳だ)今回はきゃんでぃそふとの「つよきす」 のレビューをお送りしたいと思います。 このサイト内の2005年エロゲー大賞を射止めたこのソフト。 今流行の萌え「ツンデレ」にこだわったとの話ですが………さて、一体中身はどうでしょうか? それでは、早速内容を見ていきましょう。 え?前フリの意味がわからないって? 後で説明しますから、今はちょっとおいておきましょう。 ![]() ![]() と、本編に行くと見せかけておいてまたまた前フリ。 このソフトの主眼となっている、いわゆる「ツンデレ」。 去年は流行してましたが、何故人はそこに萌えを見いだすのでしょうか? そもそも人は、どんなことでも比較基準でしか物事を捉えられません。 数字という絶対基準を見たとしても、大きい小さいと比較してます。 これは人が構造的に、主観を通してしか世界を見ることができない以上仕方のないことです。 さて、比較基準で物事を捉えている以上、我々は常にそれらの差をもって大小を計ります。 つまり、「そのものがどれだけ大きいか」で大きさを測るのではなく 「基準点からどれだけプラスに離れているか」で大きさを計るのです。 これは物の大小だけではなく、好悪の感情や楽しさでも通用する法則です。 ですから「ギャップ」や「落差」と言ったものは、人に何かを訴えるときにとても重要になります。 例えば、ジェットコースターの登りと下り、演説するときの声の大きさ、 クライマックスのピンチと逆転。 そして、ツンデレ。 人を遠ざけるようなツンツンと、打って変わって人に甘えるデレデレ。 このギャップにこそ人は萌えるのです! これは、人の精神構造を逆手に取った高度な恋愛戦略の一つ。 男ならもちろん、女でもキュンとしてしまう、人間である以上逃れられない罠。 そりゃ流行るのも当然というものです。 つまり人である以上逃れられない萌え。 これがツンデレなのです! ![]() ![]() 真面目なのか巫山戯ているのか解りがたい前フリはさておいて。 シナリオは、ごくオーソドックスな学園ものと言ったところでしょうか。 まさしく学園時代を追体験といった感じで、人が死んだりと言った派手な展開はありません。 それ故に登場人物の人物像がクローズアップされることになります。 つまり物語で魅せるのではなく、人物で魅せるタイプのシナリオというわけです。 このタイプのシナリオは概して単調なかつ低調な話になりがちで、 人物描写も甘くなり、結局エロに走ってお茶を濁すことになります。 だが、このゲームは違った。 「ツンデレ」というテーマをうまく生かし、キャラクターたちを 深く掘り下げることによって話をハッキリさせることに成功しています。 人間誰しも一元的な人間ではありません。乱暴でも子供には優しかったり、 頭は悪いけれど勇気があったりと、視点を変えなければ見れない面を持っているものです。 まして思春期の不安定な時代なら、当然でしょう。 それをキチンと書き分けているのが凄い。 「ツンデレ」と言う多面性を持つヒロインだけではなく、友人たちや、 無性格になりがちの主人公ですらちゃんと書かれているのですから脱帽です。 この人物描写があるからこそ、ギャグも、熱血も、ラブコメも、 甘いラブストーリーも、悲劇も、十分に生きてくる。 しょせん「ツンデレ」という流行に乗っただけだろう、そう侮っていた自分の明らかな敗北です。 やってくれるぜ、きゃんでぃそふと。 ちなみに個人的に好きだったのは、全然「ツンデレ」じゃない某ルート。 ドロドロの話だったけどクライマックスの主人公のセリフがかなり効いた〜。 まあ、他の「ツンデレ」ヒロインたちのルートを見てきたからこそ、ですがね。 いや、ホント面白かった。 ![]() ![]() BGM全18曲。内、ヴォーカル曲はOP「Mighty heart〜ある日の喧嘩、いつもの恋心〜」、 ED「Isolation」。 BGMを作っているのは皆さんご存じのI’ve。これで悪いはずがない。 特に、ヴォーカル曲が良いです。ホント良いです。 めちゃくちゃ良いです。まさしく「つよきす」のOP、EDにぴったり。 これ、I’veクオリティ。文句なし! ちなみに、音楽鑑賞モードにはOPとEDがフルヴァージョンで収録。 やってくれるぜ、きゃんでぃそふと! ちなみにちなみに、OPのヴォーカルはKOTOKOです。 ファンの人は要チェック? ボイスの方も文句なし。 男女ともにナイスキャスティングです。 解ってるねえ、きゃんでぃそふと。 ![]() ![]() きゃんでぃそふとのCGは前回の「姉、ちゃんとしよ」シリーズから、どうにも柔らかさに欠けると思う。 うーん、下手ではないし塗りも丁寧になっているから悪くはないのだが……… 少なくとも主流ではないと思うのですが、どうでしょう? そのせいか、イマイチエロも感じない。 んー、悪くはない思うんですがねえ。 趣味が合わないって奴だと思います。 ちなみに各ヒロインにつき2〜5シーンほど回想に登録されますが、 突発的にエロ絵が挿入されたりしますから注意。 断っておきますが全部和姦。期待するほどではないかと。 ![]() ![]() このゲームで一番文句をつけたいところです。 まず、扱いずらい。 大抵のゲームが似た作りになっていますが、このゲームはそれからちょっとだけずれています。 例えば文字送りの初期設定がスペースだったりとか、キーコンフィグが独立していたりとか。 だから扱いにくい。 つづいて、エフェクト関係がつたない。 画面転換や日光のエフェクトなど考えて入るんだけれど、まだまだイマイチ。 要努力と言ったところ。 色々考えて、新しいことをやろうとしているのは理解できますが、力量がついていってない感じ。 ここらへんは次回に期待!ってところですか。 ![]() ![]() さて、今までいろいろと書いてきたため、もうすっかり忘れているとは思いますので、 今一度【始めに】の部分を読み直していただきい。 読み直していただけましたか? と言うわけで、何であの前フリなのかについてちょこっと説明。 物語の舞台である「松笠市」。 色々ゲーム中にヒントがでているのでもしかしたら気がつかれている方もいらっしゃるでしょう。 この街、実は実在の街をそのまんまモデルに使ってます。 一つ、カレーが有名。一つ、神奈川県内で横浜までの直通の電車が走っている。 一つ、海の近く。一つ、戦艦がある公園。一つ、近くに島。 一つ、米軍の基地がある。一つ、近くにドブ〜という商店街が存在すし、 そこでは特徴的なジャンパーが売っている。一つ、〜開国祭という祭がある。 解りましたか? そう、あれ「神奈川県横須賀市」がモデルなんです。 海軍カレーで有名な横須賀市には、もちろん米海軍の基地が存在しています。 さらにドブ板通りにいわゆるスカジャン。 日本海海戦で東郷平八郎の乗艦だった戦艦三笠の記念公園。京浜急行横須賀中央駅。 ああ、懐かしい。背景が実際の風景そのまんまだ……… そうそう、言い忘れていました。自分、高校時代は横須賀で過ごしたんですよ。 ですからこのゲーム、なんて言うかめちゃくちゃ感情移入しちゃうんですよ。 主人公たちが行くゲームセンターは自分たちもよく行きましたし、 買い物をする商店街もうろいていました。 恐らく「竜鳴館」のモデルであろう学校にも練習試合に行きましたし、 その際に主人公たちの通る通学路も通りました。 ゲームの中に自分の姿がありそうな気さえします。 それぐらいこのゲーム、背景やら移動経路やらが現実そのままです。 これじゃ自分の青春がゲームになったような気がするのは当然でしょう? ![]() |
■■■ま・と・め■■■ |
![]() いや、まさか自分の覚えている風景がゲームにでてくるとは思いませんでした。 それだけでも感情移入しちゃうところですが、それを抜いて冷静になっても面白い。 何度も言っている気がしますが、いい物語にはイイ男が必要なのです。 これはその条件をちゃんと満たしていました。 なるほど、一位になるわけだ。 明日を見つけたのなら誓いだけを残して、振り返らずに行こう。 そう告げた心の勲章だった日々がここに、あります。 |