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水仙花(FLADY/2005-05-27) エロゲー感想者 ゆーすけ
アマゾン・アソシエイト
エロゲー感想者の満足度  7点
夜のオカズ度  6点
エロゲーのジャンル 18禁館モノADV
メーカーHP http://suisenka.prpage.jp/index.htm
エロゲーの属性 その他
DVD1枚組  CGのおおかな枚数 /51枚(差し分含まず)
エッチCGの割合 70% 音声の有無 あり
システムの感触 普通 動画の有無 なし

中古ショップ参考

■■■簡単な紹介■■■

<ストーリー>

あるところに主人公が居ました。

ある日主人公はヒロインと出会いました。

二人は恋に落ちました。

そして二人は結ばれ、末永く幸せにくらしたのでした。

■■■ぶっちゃけたエロゲー感想■■■

感想

<キャラクター>

大柳光一(CV 須藤彦一)
この物語の主人公。
金も権力も持っている。
望めば全てのものが手に入る…が故に何にも興味を持てず、ただ怠惰に日々をすごしていた。

天内衛(CV 森山葵)
この物語のヒロイン。
美しい容姿をした少年。

香京院御門(CV 櫻レオナ)
主人公の従妹にあたる。
サディスト。
常に小夜を従えてい行動している。

綾瀬小夜(CV 佐々木あかり)
御門の妹。
感情の起伏に乏しい。御門のペットのような立場。
眼帯。眉無し。

矢上裕子(CV ひかる)
使用人。
マイペースで常にのほほんとしている。
佳苗をとても可愛がっている。
巨乳。糸目。

永崎佳苗(CV 紬叶慧)
使用人。
がさつ。馬鹿。
どこかの方言らしき言葉で話す。
デコ。そばかす。

坂本恵美(CV 奥川久美子)
主人公の秘書。
眼鏡。両性具有。褐色。



ゲームを開始すると最初に以下のような警告文が表示されます。

------------------------------------------------------------------
【注意】
本作品には、暴力的・残虐的シーン、犯罪に当たる行為等、

<中略>

本作品の内容はその性質上酷くいびつにいがんだものとなっております。
気を悪くする恐れがありますので、プレイの際は十分にご注意ください。

覚悟のお決まりになりましたら、
お手元のトリガーをお引き下さい。
------------------------------------------------------------------

そしてマウスを左クリックすると、ご丁寧に銃声が響き渡ります。(笑)

注意してどうにかなるかは別として(笑)、ここまで大げさにやられると
「逆に大したこと無いんじゃないの?」なんてちょっと不安に…



<システム>

いわゆるタイトル画面というやつはありません。
ゲームを開始するとすぐにチャート画面に移り、
プレイヤーはここから好きなシーンを選んで物語を読み進めることになります。

勿論最初のうちは選択できるシーンは限られており、
特定の条件を満たすたびに選択肢が増えていくという具合。
と言ってもゲーム性は殆ど無いので、その辺りは期待しないほうが良いかも…
あと、シーン回想とかセーブ&ロードもありません。

「僕は天使じゃないよ」とか「仄かに見える絶望のメメント」とか、
ああいうタイプとだいたい同じです。(例えが分からないというツッコミは無しw)
要するに見たいシーンは何時でも見られるのでわざわざ回想シーン
などつける必要が無いというわけ。セーブも同じ。
CGと音楽の鑑賞モードはチャートの中のどこかのシーンに隠されています。


もうひとつ。
変わった試みとしてキャラクターの衣装や体型、髪型などを好みのものに
変更できるというシステムがあります。
眼鏡の形を変更したり、胸を大きくしたり小さくしたり、
ドレスを着せたり脱がせたり、それらが特定のHシーンや立ち絵に反映されます。
特にHシーンではそれによってテキストも変化するなど、なかなか遊べます。

システムに関しては、さすがに開発に長い年月を掛けているだけのことはあって、
これでもかというほど凝った内容です。
非常に良く出来たレイアウト、細かいオプション設定…寧ろあまりに凝り過ぎていて
最初のうちは使い方に戸惑うかも。(苦笑)



<CG>

女性ならではの綺麗な絵です。
服装などにしても装飾が細かく気合の入った絵だと思います。
HシーンでのCGのバリエーションはもうちょっと多くても良いかなぁとは思いますが…
まあアイテムによる差分を考えると、量としては十分かな。
あと全体的に見て肌の露出が低めなのはこの作品の特徴と言えるかもしれませんね。



<音楽>

全部で17曲。
館モノに相応しい荘厳で怪しげでどこか悲しげな、そんな雰囲気の曲が多いです。
さっぽろももこさんらしいノスタルジックな味わいも健在で、
どれをとっても素晴らしいものばかりです。



<シナリオ>

いわゆる「メタ的な」と呼ばれる類の作品です。
ここで言う「メタ」とは、物語の背後にある世界を指しています。
物語の登場人物が与えられた役割、そこにあるストーリーに疑問を抱き、
作品に対して反逆を起こす…と、概ねこういった内容です。

ただ、こういったテーマを取り扱う作品は往々にして独りよがりで意味不明であり、
破綻した挙句、収集がつかなくなってしまうケースが多く見られます。
と言うか、どちらかと言えばネタに詰まって困ったライターが苦し紛れに
メタ的な展開に持ち込むというのが殆どでしょうか…

ではこの作品はどうかと言うと、最初からハッキリと『メタ』をメインテーマに
据えて物語を描いています。(寧ろストーリーというものがそもそも存在しません)

そういう意味では他の作品とは一線を画していると言えるでしょう。
とは言え、メタ作品の性質上、やはり一般的なユーザーからはあまり好まれないのも事実。
なにせプレイヤーは物語を期待してプレイしているわけですから、
書き手自身がその物語を放棄してしまっては話にならないと言うものです。

ただ、この作品に関して一つ褒められる点としては、
この手の作品にしては珍しく結末が案外綺麗にまとまっている点でしょう。
まあ、それにしてもケレン味が強過ぎる感はありますが…
それはそれでこの作品の味ということで。(笑)

なんにせよ、嫌いな人にとってはどうしても好きには慣れないテーマだと思います。

今までそういったタイプの作品はやったことが無いという人なら
試しに一度やってみるというのもアリかもしれません。

さて、ではそれ以外でこの作品の見所をいくつか紹介していきましょう。

まずは何と言ってもこの物語のメインヒロイン、天内衛クン。
一見どう見ても女の子にしか見えませんが、実は男の子です。
発売当初はオフィシャルサイトでもそのことを公開しておらず、
知らずに買った人はそうとう驚いたことでしょう。(苦笑)
かく言う自分もそうなんですが…
ただ僕の場合は以前にも美少年(女装ヒロイン)モノは比較的好んで
プレイしていましたから、特に問題はありませんでした。

寧ろ問題があるとすれば、この少年が所構わず発情しては
館の使用人たちとHしてしまうとこと…(汗)
大人しい性格と優しさが災いして誰にでも心と身体を開いてしまう衛クン。(ぉぃ)

性別の壁を超越し、いざヒロインとの愛を育もうかという矢先、
目の前で別の女の子に寝取られてしまうとは…何ともやるせないじゃないですか。(泣)
美少年好きで且つ好きな人を寝取られて興奮するという特殊な性癖を
併せ持つユーザーをターゲットにした…と考えるのはさすがに無理がありますね。ハイ。



次に演出についてです。

テキストは芝居がかったやや大仰な言い回しが多く、キャラのセリフにもそれは現れています。
特に御門はその傾向が最も強く、それゆえこの物語の中では一番活き活きとして見えます。
また随所に舞台演劇を意識した演出が織り込まれている点も見逃せません。
キャラクターの登場シーンで観客の拍手が効果音として鳴ったり、
Hシーンではキャラクターがいちいち口で状況を説明したりといったものがそうです。

特にこの「状況説明」なんですが、Hシーンを盛り上げるのに非常に有効に働いています。

最初は邪魔になるかな?と思っていたんですが、
実際にプレイしてみると意外とそうでも無いのです。
寧ろ新感覚というか…いつの間にか無理矢理勃起させられているという(笑)
不思議な感覚を覚えます。
伏字は無し。卑猥な単語を思いつくまま喋り倒すという芸風です。

Hの最中なんで、難しい言葉はあまり使いません。
と言うか意味不明の独特な表現がかなり笑えます。
例えば「ドロドロに醗酵したボクのこくまろヨーグルト…」など、
よっぽど気に入ったのか毎回のように連発しています。(笑)

最後にこのゲームの最大のポイントとも言える、作者によるプレイヤーへの
挑発行為(?)を紹介しておきましょう。

先に上げたメインヒロインの性別を隠していたこともその一つと言えますが、
他にも随所に気になる演出が見られます。
ヒロインが男だと判明したシーンでは、この展開に激怒したプレイヤー
がディスクを叩き割るという表現が出てきます。

「わかってるならやるなよw」と言いたいところですが、
それを敢えてやってしまうところに価値がある…のかな?(どうだろう?)

物語中盤で主人公が何かに目覚めたというシーン。
ある人物の問いかけ「あなたの名前は?」という言葉に対して、
主人公の名前を入力するダイアログが現れます。
結果は敢えて書きませんが、これもかなり人を食った演出ですw

そしてクライマックス、御門が全てを語るシーン。
とうとう「書き手」なる人物までが登場し、「物語の登場人物が勝手に動き出しました」
などと言いって、結局キャラクターの口を借りて言いたい放題をやり始めます。(苦笑)

特定の作品名こそ出しては居ませんが、殆どそれと判るようなシーン
を例に挙げ、散々に批判します。

安っぽいハッピーエンド、お涙頂戴的な感動の物語、
そしてそれらを有難がって褒め称えるユーザー。
逆にそういったユーザーによって貶された、本当は素晴らしい作品
とそれを生み出した作者の恨みを…
明らかに色んな方面に喧嘩を売っていますが、これも全て演出ですから、
本気にしてはいけません。(苦笑)




■■■ま・と・め■■■

ハッキリ言ってお勧めはしません。
上で書いてある通り素材は素晴らしいんですが…あまりに人を選びます。
いや、寧ろ人を拒んでいます。(苦笑)

エロだけを目的に買うとかなら、それなりに楽しめるかもしれません。
ただしヒロインは男ですから…そういう特殊な趣味の人限定ということで…(ぉぃ)

個人的には大好きな部類の作品です。
勿論「馬鹿ゲー」として、ですけどねw

それにしても、こういうある意味気骨のあるクリエイターは、この業界に1人でも
多く生き残って行ってもらいたいものだなぁ…
なんて勝手に思ってみたりする今日この頃であります。



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