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ゲームの流れ
もう語り尽くされてる気もしますが、 私のなかでは一番好きなゲームでもあり、また一番嫌いでもあるゲームでもあるのです。 それだけに存在感大ありなゲームなのです。 ストーリーは三部構成、『DREAM』『SUMMER』そして『Air』。 クリアするごとにサマーとエアーが攻略可能になります。 ドリーム編はメインヒロインの他に2人のサブヒロインのストーリー。 サマー編は正歴っていつかな? 恐らく平安〜江戸時代だとは思う(いい加減なw) エアー編はドリーム編の観鈴シナリオ終了時からスタートします。 ドリームはAVG形式で三人のエンディングが待っていますが、サマーとエアーは一本道です。 選択肢もありますが、ノベル形式と考えて構いません。
短評になりますが全体を通して、 ドリームが10点満点のうち5点、 サマーが10点と名乗るに相応しい出来で、 最後のエアーは8点という結構粗の激しいゲームでもあります。 別にドリームのシナリオが悪いわけではありません、 これは見鈴(あるいは神奈)がヒロインであるため 他のヒロインのシナリオは直接関係ないからです。 大筋とは関係ないストーリーですのでその分引いてるだけで、 ドリーム単品を見ると並の純愛ゲームに匹敵するほどの良作です、 7点くらいは多いにあります。
キャラ紹介■
国崎往人 人形使い・法力を持ち合わせている・目付きが悪い 神尾美鈴 変な娘だが、実は友人が一人もいない薄幸の少女。それを知るものは『そら』のみ。 神尾晴子 血の繋がりが無い観鈴の母親。彼女に共感を抱く人も多いはず。 遠野美凪 何かある度にお米券の入った封筒を差し出す。お米券は米屋で米20kgに交換できる。 みちる 美凪にべったりである。シャボン玉を飛ばすのが下手。 霧島 聖 通天閣と印刷されたランニングを着こなす謎な町医者。メスが似合うが執刀専門ではない。 霧島佳乃 自称魔法使い。左手首に黄色いリボンを結んでいる。 そら 飛べなくなった烏、観鈴に懐き苦楽を共にする。エアー編の主人公である。
☆サマーのみのキャラ☆ 柳也 サマー編の主人公、正八位の田舎侍。だが頭は切れるし腕も立つ剛直な猛者でもある。 加奈 翼人。実質上幽門に等しい扱いを受けている。町娘と見分けるのが難しい。 裏葉 颯爽たる見のこなしと全てを見透かしたような不思議な能力を隠し持つ女官。
ドリーム編〜群雄割拠■
夏休み前から始まる辺境の町の出来事。 このゲームの目的は空に羽を持った少女を助けことであるので、 ヒロインを攻略する本編ではその意味も含めて話の筋から逸れてるとも言える。 勿論、ヒロインは充分魅力的だし「羽」に関するイベントも無くは無いが、 これだけでAirの全容が見えてこない。 むしろ助ける人はヒロインであって羽の少女ではないこと、 シナリオを読んでいると今までの主人公と母親が、 どれだけ懸命に翼の少女を助ける旅をしているかが窺えたがだけに、 簡単にヒロインとの恋で断念するのも酷い仕打ちに見えるんですが。
散々愚痴を言いましたが、それ単品だと評価できるほど良作。 みちるシナリオが一番のお気に入りです。 まさにドリームの真琴(または七瀬)というべき存在。 観鈴好き〜、でもみちるも可愛いし、でもでも他のキャラも可愛いし〜 って感じで普通の純愛ゲームだし、Airで言えば群雄割拠的な役割でもある。 感動系の良作としてそのシナリオを見ほれるのもいいだろう、本編とはあまり関係無いがw
この時点では観鈴シナリオも他のヒロインと同じ扱われ方です。 唯一の違いは観鈴に限り、ラストの描写が欠けています。 それは後のエアー編で語られます。 観鈴のシナリオは実に奥が深く、一章だけで全てを言い表すことができない。
■サマー編〜やんちゃ翼人■
この物語は翼人に関することで、主人公の目的と間接的に関係がある。 ストーリーとしてはおよそ鍵っ子の作品とは違い、ねこねこソフトの銀色に近い。 雰囲気が全く違うとはいえ、鍵っ子が最も輝かしいシナリオを手がけた章でもある。 銀色の雰囲気のままシナリオが進行して、終盤で涙ポロポロ、 ラストで感動して結構無駄がないため誰もが賞賛したことだろう。
結果としては、翼人の非業を知ることとなり伝承を主人公の世代まで受け継ぐこととなる。 余程翼人と仲が良かったため、数百年色褪せること無い気持ちを伝えたのは見事といえるでしょう。 これに関してだけは非の打ち所も無いし、わざわざリプレイして心を補完する必要もない。
エアー編〜本当の親子■
エアー編はそらが主点となり、夏休み前から物語は始まる。 観鈴にスポットライトを当てた形で。 あまり多く語るとネタバレになるので(既に沢山した気もするが)詳しくは書かないけど、 この物語は前半は一緒に遊べる友達に、後半は母子愛について述べられてる章です。 シナリオを読むと読むほど悲痛な心の叫びを挙げ、1ヶ月分の涙を流すのは必死です(爆) これまでのシナリオは全てこの神尾観鈴のために作られ、 シナリオ部門においてはカノン以上によくできている。 まさに観鈴の一人芝居なのだ。 そのためにこのシナリオは8点を評価するに値する。 だが鍵っ子の悪い癖が露呈した。 どうしても9点をあげたい自分が許せなくなってしまう、 それがラストの盛り上げ方だが後述するのでここではこれくらいにします。
ギャグ■
Oneでは七瀬と浩平との夫婦漫才が有名ですが、 Airでも結構ギャグが散らばっています。 勝手に家に上がりこんだ往人が晴子に一言、 「今日からあなたの息子になります」、「なるか!」「ならせるか!」(二人同時で)。 ひよこは大人になると恐竜になるんだよ〜←ギャグか? ギャグがあるためにテンポも弾んでますので、鍵っ子=ギャグのイメージが大きいです。
欠点とおりゅうさんが抱く不満点■
おりゅうさんが8点を採点するのは二通りあって、 一つは俺的に満足、うんうん面白いし〜これは8点でしょ。 もう一つは、なんて惜しい8点だろうか…もう一頑張りしたら9点になれるのに…… に大別できます。 Airは後者の典型といえる作品です。 これは良作か名作かの厳しい審査で、ある致命的なミスのため至らなかったようなものです。 何が悪かったのだろうか? ストーリーの大筋に入ると面白いが、そこに行きつくまでの過程が貧弱だったのが問題。 とにかくAirは間延びしまくりです。 これはKanonにも当てはまりますがAirでは謙虚に見られます。 ならいっそヒロイン以外のキャラを攻略する必要などないのです。 話の要となるのはあくまで美鈴シナリオのみですから。 他のキャラは欠点である「間延び」をしないように補佐するだけで充分なんですよ。 とにかくプレイ時間が長いですから無駄なシナリオは省いた方が良かったかと……。
もう一つはラストでストーリーが飛躍しすぎてますw カノンの時と同じくらいぶっ飛んでますし、カノンよりシナリオが緻密になっている分、 ストーリーに矛盾がないことが必要不可欠です。 特にAirの場合、ラストの盛り上がりのためだけに全ての比重を傾けているのなら、 最後に場違いな締め方や間接的な表現でお茶を濁すような書き方はやってはならないことです。 奇跡の乱発で死人が何人も生き帰ったカノンの教訓を活かしきれてない。 私が求めているのは結果ではなく、そこに至るまでの過程だと。 鍵っ子のメーカーは、絶対にあの程度の矛盾は卓越した文章力で 解決できるだけの力量はあるはずです。 それなのに最後の最期で力を抜くような書きかただけは気に入らなかった。
逆に銀色なんかはラストの盛り上げ方が良かったので、逆転勝利を収めました。
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