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《主要人物》
皇城光一(すめらぎ こういち) 主人公。地元の名家の生まれ。高校生。父親は現役市長。 学生会の執行委員を務めている。優秀だがお人好しで周囲に流されやすく優柔不断。
上村葵(うえむら あおい) 地元企業の社長令嬢で、クラスメイト。 わがままで、口より先に手が出るお転婆娘。 一方で、白い白馬に乗った王子様が現れるのを待ち焦がれる夢見少女である。 声楽部に所属しており歌がうまいという意外な一面も。
六郷月詠(ろくごう つくよ) クラスメイト。父親は地元の市議会議員で次期市長選挙の有力候補。主人公の父親とは政敵の立場にいる。 知性と気品、艶やかさを備えており、時折思わせぶりな事を言って主人公を惑わす。 一見、近寄りがたい印象はあるが、本当は奔放で茶目っ気があり大胆な言動もしばしば。 個人的には一番好きなキャラ。
仁科紫(にしな むらさき) 控えめで可愛い後輩。料理が得意で家庭的な子。 不良に絡まれているところを主人公に助けられたのがきっかけで、学生会の執行委員になる。 消極的な自分を変えたいと思っている。
須磨明美(すま あけみ) 主人公のクラスの担任。担当教科は日本史。
教師らしく見識が高いかと思いきや、前途有望とはいえ、生徒である主人公の婚約者に名乗り出てしまうなど、
およそ世間からかけ離れた思想を持っている。
森下藤子(もりした とうこ) 主人公の義理の母(入籍はしてないので厳密には違う)、主人公の生みの親と外見が瓜二つ。 主人公と5つしか年が違わない。 気さくでおおらか。一緒にいるだけで和める癒し系。
《感想》
▼原画・CG 原画はNailの前作『Present
for
you』と同じ椎咲雛樹さん。 目の描き方に特徴がありますが、瑞々しさがあり、可愛さと艶やかさの両面を持ち合わせている絵柄です。 パッと見、アニメ調のベタ塗りっぽいですが、CGは柔らかくて綺麗です。 立ち絵の時はあまり違和感はなかったのですが、肝心の1枚絵が…(つД`) 女の子のポーズや身体のバランスが悪く、明らかに不自然でした。劣情をそそる様な構図も少なかったです。 あまつさえ、前作と構図が酷似している(というか同じ)ものも多数ありました。 素人なので偉そうな事は言えないのですが、もう少し勉強してバリエーションと画力を上げて欲しいと思います。
▼シナリオ DEEZ
政略結婚はあるにしても、担任教師やクラスメイトが婚約者候補になり、同棲するなどというシチュエーションは、
現実的に有り得ないので、まずゲームの中の話だと割り切る必要があります。
キャラクタの個性がとても良く立っていて、ウィットに富んだ話のやり取りがとても面白かったです。 会話の中でしばしば歴史や源氏物語の引用が出てくるので、それは賛否が分かれるところでしょう。 ヒロインたちはそれぞれ大きな悩みを抱えていて、それを主人公との触れ合いの中で乗り越えていきます。
メインテーマとしては王道で悪くないのですが、Hシーンを挿入するためなのか、
いきなり同棲生活をする事になったり、エロ路線のシナリオ介入が露骨なので、
シリアスな部分の勢いが大分削がれています。 また、それによって息切れしてしまったのか、ストーリーの後半は、展開が性急で説明不足な感じがします。
クライマックスからエピローグが、やたらあっさりとしていて余韻に浸る間がなかったので、納得できるまで、
とことん突き詰めて欲しかったです。
▼音楽(BGM) blue 可もなく不可もなく。適度にゲームを盛り上げています。 …と、無難にさらっと評したいところですが、残念ながらあまりいい印象ではありません。 同じ曲をアレンジで多用しすぎ。手抜き感がありありです。
Hシーンではヒロインのテーマ曲をオルゴール・バージョンにアレンジしたものが、ヒロインごとに流れますが、
単調で雰囲気に合ってません。ムードに合った曲を別に作って欲しかったです。
OPとEDの主題歌は、例え拙くてもゲーム全体が引き締まっていいのですが、
ストーリーの大事なところで(拙い)挿入歌はきっついです。雰囲気ぶち壊しです。
ゲーム中、ヒロインが歌を披露する場面で挿入歌が入ります。
ゲームの中では皆感動していますが、プレイヤーである私は全然納得できませんでした(笑) ヒロインは歌がうまい、という演出は挿入歌でなくとも他にやりようがあったはず。 むしろ逆効果。安易というか、衒(てら)い過ぎだと思います。
▼音楽(CV) 女性・男性、総じて上手に演じていたと思います。 キャラクタの個性に合っていて、会話が引き立っていました。 特に不満はありません。というか好きです(笑) 個人的には上村葵役の成瀬ゆらさんの妹チックな声が気に入っています。 葵自体はあまり好きではないのですが;
▼ゲームシステム 選択肢でシナリオとEDが分岐する一般的なヴィジュアル・ノベルです。 5人のヒロインを攻略可能。八方美人な選択だとバッドエンドになるので、1人のキャラに偏った選択が必須。 選択肢後のメッセージで正解が判別しづらいので、ゲームの難度は高めです。 というのは周囲の評価で、私は攻略サイトを見ながらやったので、それほど不自由はしませんでした。 ディスクなしでプレーできます。ちなみにCDにはコピープロテクトが掛かっています。
メッセージスキップ、オートプレイ、バックログ、クイックセーブ・ロードなど、
基本的なインタフェースは一通り装備されています。セーブ数も多くサムネイル機能付です。
おまけモードはCG、シーン回想、BGM鑑賞があります。
▼H 原画・CGの項で前述したとおりオカズ度はあまり高くありません。 広告やパッケージの文言を見て期待すると痛い目を見ます。 全員が処女(推定有り)本番、コスプレ、フェラ、パイズリなど、オーソドックスなスタイルが満遍なく用意されています。
シーン数は約27。尺は程々の長さ。絵の枚数は基本的に1シーンあたり2枚、
初Hの時はヒロインごと3枚(使い回し、差分含む)、導入部の展開が強引なので少し盛り上がりに欠けます。
初心(うぶ)な女の子がいきなり大胆な行動を取ったり、猥語を連呼したりします。 その豹変振りは、エロゲーとはいえ、かなり違和感があります。
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