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エロゲー感想者 とある社会人 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昏き祟りの森で( hourglass /2012/1.27) |
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好景気に沸く1991年。東京の私立W大の人文学部に通う主人公・加茂在憲(かも あきのり)は、卒論のテーマに選んだ “摂関政治” に関するフィールドワークの一環として、夏休みを利用して友人達と目的地で あるW県へと向かった。 フィールドワークとは旅行のための建前で、 本当はバカンス気分でキャンプ生活を楽しむ つもりの一行だったが、ふとしたきっかけから、 その土地にまつわる奇怪な現象に 悩む地元の人たちと知り合い、 相談を持ちかけられてしまう。 民俗学を学んでいるとはいえ、一介の大学生 グループに過ぎない一行。 しかしどちらの依頼を受けても宿泊場所や 食事の提供は受けられるし、本来の目的 であるフィールドワークも進められるので、 ある意味渡りに船と気楽に考えてOKしてしまう。 だが、それをキッカケに一行の周囲でも 奇怪な現象が発生するようになり、 一行は徐々に追い詰められていってしまう。 しかしそれは、真の恐怖の序章でしかなかった……。 |
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正統派伝承ものと憑依による催眠調エロが程よく交じり合った佳作。 ホラー特に和風ホラーというと精神的なシャドウを起因としたものになりがちですが 本作は主人公が通う大学における専門学である民俗学でのフィールドワークが発端。 民俗学における土地独特の風習等は今となっては祭事におけるならわしごとと化して さして気に留めるものでも無くなっている現状では有りますが旅行等で 出くわすとなかなかに興味深いものが今でも残っています。 風習におけるエロというと大抵よばいが出てきたりもしますが かなり男性に有利で好き勝手な決まりごとを多地域から盛り込んで有り 虚構めいたものが多く見受けられます。 民俗学的にも極端な思考傾向の学者がたの論説・書籍があるものの いまだ広範囲に調査見識されたものはなく民俗学(風習)を専攻されている学生さんで 卒論を考えておられる方は案外研究の余地のあるテーマで有ると思います。 もちろん専門指導して頂いている先生が許諾してくれればの話ですが(笑。 虚構エロはエロで楽しめるものではありますが 虚構であるが故にあくまでそれっぽい男女の交わりが描かれ枠のはまった型通りの展開になりがちです。 さきほどのよばいでいえば未亡人の童貞への手ほどきやらおぼこへの 権力者の開通儀式やら輪姦ものやら等。 エロジャンルとしては男と女の性交渉へ至るまでの駆け引きが存分に味わえる 寝取り寝取られにも通じる古くからの一大ジャンルで作品ごとに登場人物の容姿環境設定 を変えてみたり台詞をより扇情的なものにしたりと工夫はされているものの 作品としての目新しさやより注目を浴びるには行為に至る駆け引き要素を どう独創的あるいは斬新に描くかというこれは恋愛ものと同様に重要なことではないでしょうか。 さて今回紹介する本作は盛り込まれているエロ要素のみにまず目を向ければ バッドルートにおける陵辱と催眠系の輪姦乱交シーンが特色となっています。 バットエンドへ至る過程を伝承のフィールドワーク部分で細やかに描きつつ怪異に 取り込まれた時の登場人物たちの感情の起伏を表現する この試みは陵辱あるいは輪姦乱交シーンにおける女性視点での狂宴(エッチシーン) での盛り上がりに一役かっています。 憑依され悦楽に支配され性の交わりをひたすらに求めているかのような状況が 描かれる一方別視点(女性視点)で後から読み返してみると実は……と視点別で二度楽しめます。 シナリオ系エロゲーとしても伝承ものの魅力ある作品で 以前感想投稿しました『この歌が終わったら』の数十年前が舞台の本作では有りますが 前作では為す術も無く怪異に巻き込まれ次々と惨劇に遭ったこの地に存在する 元凶との対決といった見所も用意されています。 完全に決着がつかなかった為に数十年後惨劇が起こるわけでは有りますが 怨霊が元凶かと思いきやまさかの大物が登場にて 正体不明のままであやふやなまま前作が幕を閉じた結末の理由が判明します。 前作からシナリオ担当者CG担当者ともに変更となり本作となりましたが 更に続く伏線が各結末に織り込まれているので 是非とも完結とは至らずともこの舞台となった地での物語の続編を期待するほど 物語はコンパクトに纏まり良く出来ていました。
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下記のようにコンパクトにまとめられたADVゲーム。 シナリオについてはおおまかに2ルート有り一つはフィールドワーク(探索)を主としたもの もう一方は討伐を主としたもので どちらも展開ががらりと変わりながらも同じ時間軸の話としてまとまっています。 その為お互いの話を補完しあう部分もあり一方の話で詳細を語られなかった事項がもう一方で 楽しめるようになっています。 エロゲーとしての嗜好要素エロについても純愛系エロについては閉幕前での1シーンのみ なもののキスや接触や未遂的なイベントが時折はさまれておりバッドルートでの陵辱輪姦乱交は どのルートにおいても使い回しではなく輪姦や乱交の組み合わせが変わり 更に新規シーンとかなりの量が盛り込まれています。 また女性視点での別バージョンも用意されておりエロ要素に期待されている人 にも満足できる一作となっています。 |
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